http://www.atmarkit.co.jp/farc/rensai2/emer01/emer01a.html
火を噴いたプロジェクトを立て直したプロジェクト管理の話し。
まだ第一回目だから本題に入っていないけど、「自己組織化したプロジェクト」というのがキーワードらしい。そのために筆者(火消しとして入ったプロマネ)は、これらのことを実施したそうだ。
* 朝は遅刻厳禁:朝バラバラに出社して、深夜まで仕事をする、という習慣をやめさせました
* 朝のスタートアップミーティングと夕方のラップアップミーティングの実施:定刻に始まり、きっかり15分で終わる朝/夕のチームミーティングを、1日も漏れずに行うようにしました
* WSS(Windows Sharepoint Services)を導入し、情報を一元化:WebポータルアプリケーションであるWSSを導入して、情報を一元管理しました。進ちょく/仕様/課題/障害管理データベースはここに作りました
* 進ちょく/仕様/課題/障害管理で必要とされる項目を必要最低限に:複雑になりがちなこれらの管理情報項目を大幅に削減しました。進ちょく率などは、85%完了、といった細かな管理を一切やめ、未着手(0%)、作業中(50%)、完了(100%)、中止のみとしました
* 進ちょく/仕様/課題/障害管理で必須項目はすべて最新であるように徹底:管理情報項目を最低限のものにする代わり、それらの項目は絶対に漏れがなく最新ステータスであるよう、徹底しました
* 課題/障害管理データベースに、どんな問題でもとにかく起票するよう徹底:課題や障害の起票ルールを最低限とし、とにかく起こったことはすべて起票するように全員に徹底しました
たったこれだけでプロジェクトが立ち直るのか?という疑問が先に来る。これから先の連載でこの辺は出てくるんだろうけど…。
この中で最後の項目の課題・障害管理でとにかく何でも問題点などを洗いざらいにするってのが一番効果的なんじゃないかと思う。
自分が今やっているプロジェクトも
- 外部とのインタフェースが多いので他所との調整や検討作業が多い
- 機能が細分化されていてそれぞれ仕様が細かい
- その仕様がコロコロ変わる
- システム全体の規模が大きいので何かするにも既存のルールや仕様を調査する必要あり
- ひたすら短期開発で常にドタバタしている
という中で、情報がすぐに錯綜してしまう。あの検討項目はお客に問い合わせたあと回答があったか?とか、これは相手機能の担当とネゴを取ったか?とか…。そういうのを各プロジェクトメンバが抱えてしまったままだとプロマネもプロジェクトのっ状況をつかみようがないし、各個人の進捗の管理もできなくなってしまう。それに、どこかに記録しておかないと担当者自ら忘れ去ってしまう危険もある。
そこで状態が混沌としてくると、「未解決、検討、要調査事項」をTracのWiki上にすべて出させるようにして、何を解決しないと進まないかをメンバー全体で情報共有することにした。
こうすることで直接自分と関係のない機能であっても、何か知っていることがあれば教えることができるし、プロマネはこれをチェックリスト代わりにして課題を一つずつ片付けていけば良い。
じっさい、仕様検討段階では何回かこうやって「棚卸し」をして情報の整理をしたおかげで、火を噴くことなく進められたのではないかと思っている。実際の具体的な効果は測れないけど、何もしない状態ではプロマネ自身が状況の把握で回らなくなっていたと思うし…。
そういう意味では、この筆者のやり方に通じるものはあるかも。プロジェクト規模とかぜんぜん違うんだろうけどね。
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