一部で取り上げられていた、「ITエンジニアの心の病」を読み始めました。
最初に取り上げられている事例を読んだだけで、そういう現実に暗い気持ちになってしまうんですが、
本文17ページ後半
日本ソフト開発者の現場は疲れきっていて、「もう耐えられない」と業界から足を洗うエンジニアは後を絶ちません。最近ではインドや中国の組込みソフトエンジニアに比べ、日本のエンジニアの質が悪くなっていると言われますが、優秀なエンジニアほど劣悪な労働環境を敬遠するようになったのではないでしょうか。そして、エンジニアの絶対数が足りないのに、エンジニアがやめるような勤労状況が放置されているのです。
一方では、そんなふうに人材不足だからこそ、組織の運営方法や個人の評価方法がでたらめで、無意味に長時間労働を強いるような人物を管理職においておかざるを得ないという悪循環に陥っているようです。
なんだか思っていることをはっきりと言われたという感じです。特に最初の段落は。これは組込系に限らず全般に言える話でもあるかと。
私が知る限り意味のない残業を命ずるような上司は幸いにしていませんが、組織の運営方法などはいろいろと問題がありそうな感じです。
ほんと、悪循環かもしれません。
人手不足→優秀なエンジニアに負担がかかる→優秀なエンジニアが辞める→人を補充するが、質の良い人間が集まらない→作業の質が下がって現場は火を噴く→優秀なエンジニアに負担がかかる…という感じか?
ある程度は教育や開発プロセスなどの方法論でカバーできる部分はあっても、最後は人の問題になってしまう。人数ばかり揃えても、ちゃんとしたモノはできないんだということ。
この本は読み進めるのが怖いな…。他人の事例を読んでると自分まで鬱っぽくなってしまう。
ITエンジニアの「心の病」―技術者がとりつかれやすい30の疾患 | |
酒井 和夫 立川 秀樹
おすすめ平均 |
コメント
もしも、ITエンジニアの「心の病」を読んで暗くなったら、河合 隼雄氏の こころの処方箋 (新潮文庫) ¥420 を読まれることをお勧めします。
人間はコンピュータのように思ったとおりには動かないということがわかると、フッと力が抜けて矛盾を受け入れられる気持ちになるかもしれません。