自分が出してしまったバグを対処している時間(工数)には、給料を払う必要はない?
ときどき、こういう話題になる。
労基法的にはバグを直している間も労働時間になるので給与支払いの対象になる、で話は終わるはず。(裁量労働制とかだと変わるだろうけど)
あと、そもそもサビ残が当たり前で普通の残業代すら出ないよ、というケースは今回はちょっと置いておいて…。
この話の根本は、労働時間=給与なので、仕事が遅かったりミスをリカバリする時間も労働になるから給料出るよね、それってどうなの?というところ。
けっこう私の周りでは「自分が出したバグなんだから工数として計上(給料が発生)するのはおかしい」という考えの人が多い。
管理職、ベテランだけでなく若手の中にもそういう考えをする人が多い。いまはコンプライアンスもあってそういう指示や命令はまぁ、ないけれど、その昔サビ残が当たり前だった時代には自分もよく上司や先輩社員からそう言われて自分で労働時間として申請しなかったりという自主サビ残的なこともかなりやってたので自分の中にも「自分のミスなら給料出なくても仕方ない」という感覚が少しだけ残っている。
でも、「ミスの原因はその人個人だけのせいなのか?本来は上司や周りが管理監督、レビューなどで潰しておかないとならないはずで逆に上司の責任なのではないか」という意見をどこかで見かけて、それもそうだなぁと思ったこともあり、なんだかこう…ブラック的な考えに染まっているのかもしれないとも思い直したり。
昔のサビ残全盛期に現場で働いていた、現在のベテランや管理職が「給料払うのおかしい」という考えだったとしても、昔の感覚を引きずってるんだろうなぁとそう考える理屈は理解できる。その考えを自体は同意しないけど。典型的な「自分の若い頃はそうだったから、今のお前らも」のパターン。
ただ、若手の中にも同じ考えを持ってる人がいるのが少し謎である。「1年目の新人はミスしたり仕事を覚える期間だから残業代無くてもいいと思う」と言っていた若手もいたし…。
確かに自分も若い頃は残業代が出ないことについて「仕方ない」と思ってそこまで気にしていなかった時期はあったように思う。単にブラックな中にいたからかもしれないが。
でも今はコンプライアンスもあって残業代は出さないといけないし、残業時間もきちんと月や年単位で上限超えないようにしないといけないし、とにかくサビ残させてプロジェクトやればいい、みたいな時代では無くなってる。
でも現場の上や管理職が昔の感覚だとその辺の労務管理に目を向けず、「残業して終わらせれば?休出すれば?自分も昔は…」という話にすぐに流れてしまって改善しようとしなかったりする。
力技で仕事をこなして昇進した人はその「成功体験」がベースになってるので、部下にも同じことを求めると部下は大変な思いをする。そこから上司と部下のギャップが生まれて組織が綻びていくのだろうなぁと。
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