タイトルに”女子大生”なんて妖しげなのがついていたり、中のショートストーリーで「萌」なんていうキャラも出てくるけれど最近流行りの「萌え系」の本ではなく、あくまでマジメな、会計についての入門書。
おそらく”世界一簡単な英語の本”の構成を少し意識したのだろうけど、イラストを多く入れていたり資本、資産、費用、利益を水、木、火、金に置き換えて説明していたりと、なるべく単純化して書かれていて会計に興味のある人であればとてもとっつき易いレベルになっている。
株式をやるときに出てくるROA(総資本利益率)とかROE(株主資本利益率)とかが意外と簡単な割り算でできてしまうのも新たな発見。もっと難しいものだと思っていたけど…。
最後は本物の決算書(トヨタ自動車の)を例にして、本物の決算書の見方も書かれている。そして税効果会計(法人税等調整額、繰延税金資産などの科目)や、不良債権処理などの細かい部分にも触れられていて、決算書を見る足がかりになる知識は十分身に付く。
簿記会計がかなり苦手な私でも、けっこうすんなりとそれぞれの指標の意味や求め方が頭に入った気がするし。
この本をひととおり読んでみた後に自分の会社の決算書でいろいろな指標を計算してみると、「効率よく利益を出せているのか?」とか「人件費に対する利益が少ないんじゃ…」とか新しい面が見えてくるようになるだろう。
そしてもっといろいろ知りたくなったら他の「企業会計入門」の本にステップアップすればいい。
会計や数字の苦手な人で「決算書の意味くらい読み取れるようになりたいなぁ」と思っている人にはけっこうオススメです。
<女子大生会計士の事件簿>世界一やさしい会計の本です | |
山田 真哉
日本実業出版社 2004-04-08 |
ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本 | |
向山 淳子 向山 貴彦 studio ET CETRA
幻冬舎 2001-11 |
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