大手SIerの利益悪化がとどまることを知らない件 - GoTheDistance
まぁ、厳しいですねぇ。
今まで比較的安定して要因を提供していたメーカーさんも、減員になったり人月単価が下がったりで人員を入れておく旨みが減ったこと、あと受託案件が減ったり、あっても短納期で作業量の多いハイリスクなものばかり。
社員をそれなりに抱えている会社だと、数人を食べさせるための仕事を取れば良いわけではなくて、数十人単位を食わせないといけない。そうすると、短納期で作業量の多い案件、つまり要員は一時的にかけられるけど、そのスケジュールでその要件って正気?というような物を請けざるを得なくなる。要員が空くより何か作業させればいいよね、っていう。
こうなると目先の作業を請けに行くことが主目的になってしまうので、危険な要件も「そこまでトラブルにはならないだろう」「これが取れれば継続して受注できるだろう」と都合の良い方向に解釈するようになっていくのが不思議。その後は言わずもがな。
仕事が減ってパートナーさんの数が減り、正社員率が上がっているので普通にプロジェクトをやってもコストが高めにかかるし、パートナーさんで維持できていた技術力も下がるので生産性も下がる。仕事を取っても何とか食いつなぐことができるかもしれないが、そこから利益を出したりできるプロジェクトは多くないだろう。
中小のSIerも厳しいが、NTTデータのように銀行や官公庁のシステムという安定収入を持たない、大手SIerはどこも厳しいのである。社員を多く抱えている分、落ち込んだときの影響は高い。
この状況で、何に活路を求めるかは会社によって違うと思うけど、グローバル化だとか自社プロダクト開発だとか言うけれど、結局のところは受託開発にすがることになると思う。グローバル化もプロダクトも、そんなすぐに成果の出る施策では無いしこの業績が落ち込んでいるときに本当に辛抱してすぐにリターンを求めずに投資できる会社がどれくらいあることか。大抵は「グローバル化推進部」なんて作っても、何も成果を出せずにコストばかりかかるからと言って1年後くらいには縮小されるのがオチだろう。
上場企業の企業活動として「常に右肩上がり」を要求されるという現実がその厳しさに拍車をかけてる気もする。無理に業績アップを狙わずに安定して事業を進めるというのが株主や市場に受け入れられればもう少し違うのかも。
人売りのSIerという企業がやれる仕事は減っている。本当に技術を持っている会社、売り方が上手な会社がしぶとく生き残るのではないか。大手SIerも中途半端に技術者を持つのではなくて、本当に受注と中抜きだけする会社に特化してしまったほうが意外と残るのかもしれないが。
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