共感するところが多かった、というか今まで自分が仕事の中で感じてきた「おかしい」というところが、やはりおかしいのだというのが分かっただけでも充分。
まずは「仕方ない」で無理な作業を現場に押しつけるマネジメント、「お客に言ってしまっているから」と言って全く調整や交渉をしないマネージャなど、どこの現場でもありがちなことをはっきりと「誤り」と認識する。
その上で、自分が関わる仕事ではできるだけ同じ轍を踏まないようにするのはどういう取り組みや心がけをすれば良いのか、というのをこの本からエッセンスを得ると良いだろう。
この本はプロジェクトマネージメントのHowTo本では無い。具体的で詳細な手法や手順についてはあえて書かれておらず、あくまで"効果的な手法の一例"として捕らえて、あとは現場や自分のポリシーと組み合わせてプロジェクトを進めていくことを勧めているくらいなので。
ただ、手法的な話をすると「ガントチャートは整形して見せるためだけ、実際はネットワーク図を用いる」というのは初めてだった。私は今までPMBOKについてほとんど知らないので、こういう手法が新鮮だったんだろうと思う。できればPMBOKは軽くかじった上でこの本を読んだほうがより理解が深まりそうだとは感じた。
あとは計画の重要性。行き当たりばったりではなくて事前に充分な計画と検討をしておくことでリスクも洗い出せるし、必要な作業、期間、要員、機材、資料などが見えてくる。今までの仕事を振り返ると出来てないことばかりだったかも知れない...。
とりあえず、いま私の周りで進んでいるプロジェクトは間違った方向に進んでいたり、これから危険な道に進みそうだったりする典型的なパターンだということはよく分かったので、できるだけそれを回避するような働きをしたい。
数年プログラマやSEを経験して、上司やマネジメント手法に少し疑問や自分なりの思いが出てきたら読んでみると良い本。おそらく、その時感じてることは書かれているはず。
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