野村監督の本は、去年くらいから見かけるようになってきたように思う。
テレビではボヤいている姿くらいしか見ないけど、書籍という形でじっくりと話しを聞くと、野球、少なくともプロ野球は知能のスポーツなんだなってよく分かる。
そして、過去から現在までの監督を分析しているわけだけど、これが巷のリーダーシップ本の内容にそっくりなのだ。監督もリーダーだから自然とそうなるのかもしれないが、少なくともビジネスとはまた違った野球の世界で、リーダーとしての資質がビジネスのそれと同じということは、何か興味深い。
また、野村監督が選手に対して「人間としての成長」を最も重きに置いて指導しているのだというのも分かる。
プロスポーツだから結果が全てかもしれない、性格悪くても成績残したほうが稼げるとかいうのもあるんだろうが、引退後の事までを視野に入れると人に好かれない選手はその後の人生を過ごすのに苦労する。そこまで考えた上で監督は選手を"預かっている"ということなんだろう。
試合中にそこまで考えているのか、と思わせる緻密な理論と、選手・監督の人間的な分析の両方が読める本。本人も書いているように、おそらく現役の監督の中でここまでの内容を書ける人は他にいないと思う。だから余計に、もっといろんなことを書いて残して欲しいと願う。
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