やはりノンフィクションは読み応えがあって面白い。
いろいろ思ったことがあるので、今回は箇条書きで。
- 著者の記憶力・記録力にからなる克明な描写
- 読者がスムーズに場面をイメージできる
- 「情報屋」としての能力
- 外交の舞台での「情報屋」とは
- 重要な情報が得られるようになるまでの地道な人脈と信頼関係の構築の繰り返し
- 鈴木宗男の"意外な"面。
- 外交にめっぽう強く、人脈もかなり多い。
- 収賄疑惑や利益誘導型の議員ということはあるにしろ、単なる声の大きなだけの議員では無さそうだということ
- 西村検事との駆け引きと取引
- 一人の検事が手打ちのようなことをして大丈夫なのか?
- 拘置所の中の描写
- 「私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか」と同じく拘置所内についての非常に細かい描写が印象的
田中真紀子外相時代の、鈴木宗男とのゴタゴタを鈴木側のポジションから見た内容の本としても面白い。
あの当時はムネオバッシングのまっただ中。たしかにムネオハウスとか「やまりん」とかあったな...。この本だけを読んで鈴木宗男が無罪だというつもりは無いが、当時のマスコミ報道と比較すると、説得力ならこちらのほうが断然あるだろう。
当時を思い出しながら読むと、あの時のバッシングは何だったのか、そして「国策捜査」に意味はあったのかということを考えてしまう。
物事には、常に多面性がある。でも、報道や世論はそれを一面からしか見え無くさせ、時には誤った方向に突き進んでしまう危険なものというを改めて認識。
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) | |
佐藤 優
おすすめ平均 |
私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。 (講談社文庫) | |
島村 英紀
おすすめ平均 |
コメント