今回の号はけっこう良い特集が揃っている感じがする。3つの特集が個人的にどれも「当たり」だった。
【ここだけは押さえておきたい組込みCプログラミングの必須知識】
プログラミング未経験で入社してくるウチの新人や若手が読むにはちょうどよい内容とボリューム。CPUの動きからスタックなど組み込みならではのところをきっちり押さえてある。
書籍を一冊渡して読んでみろと言ってもなかなか敬遠されるが、雑誌のこれくらいのボリュームの記事なら文字を読むのが苦手な人でもなんとか読んでくれるんじゃないだろうか。
【MPEGとインターネット通信まるわかりストリーミング技術の"コア"】
これもMEPG2のフォーマットについてコンパクトにまとまっていて良い記事。画像・映像・音声処理の分野はまだまだ開拓できそうなので、こういう知識を知っておくのも重要。
【GPS機能も簡単に使いこなせる!Google Androidアプリ開発入門!】
実際に国内で対応端末がでるかどうかはわからないし、Android自体も本当にヒットするか未知数だけれど、例えば携帯電話のソフトウェアプラットフォームの一つの形としてのロールモデルにはなるんじゃないかと思う。
国内メーカーでは昔からの内製のプラットフォームを使っているがために、新しい入力・出力デバイスや機能追加に耐えられなくなってきているケースがある。それが世界に対してのブレークスルーを生み出せない、「ガラパゴス化」の要因の一つなんじゃないか、と。
PDC時代や3Gが始まったころの機種のソースコードに大量の技術者を動員してワンセグやGPS、フルブラウザやタッチパネルなどの新しい機能を年2~3回の機種発売に向けて無理やり追加している、という状態だと聞いている。そういうものが例えばiPhoneのUIに勝つとも思えないし、色々やっても「劣化コピー」と言われてしまう質にしかならない、ということなんだろう。
どこかでいったんリセットして作り直す、くらいの英断をしないと本当に競争力のある端末を作り出すことはできないんじゃないだろうか。当然、コストも時間もかかるから二の足を踏むのだろうけど。
ちょっと脱線してしまったが、今号の組込みプレスは買っても良いと思う。平鍋さんのマインドマップの記事もあるし。ちょっと値段が高いけどね...。
組込みプレス Vol.12 | |
組込みプレス編集部
技術評論社 2008-08-08 |
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