有賀さん曰く、現在IT業界とよばれるところは80万人の雇用があるが、専門教育を受けたちゃんとした人材だけで仕事すれば8万人で済むとのこと。それぐらい、今のIT業界は専門教育を受けていない人材が含まれている、すなわち、それでちゃんと回るような社内教育システム、開発体制、長時間労働体制が構築されているということだと思う。
ちゃんと回ってないから、幾多の問題(品質の低下、労働時間、業界の不人気)が発生しているのでは...。社内教育システムや開発体制で機能していないところは多そうだけど、長時間労働体制はきちんと機能していそうなのがなんとも。
企業を抜きにして、業界という枠だけで考えれば80万人が8万人で済むということは、専門教育と受けた人材を採用する価値がある、ということ。
でもそうすると単純に市場の経済規模が10分の1になるので企業としては商売としてオイシくない。人月ベースでお金を取る商売の仕方だと。
これが例えば人月ではなくてシステムの価値や、システム導入によってもたらされる効果の何%という指標で開発費を回収できるとすると、良いシステムを作れば人月で計算した時よりはるかに多いお金をもらえるかもしれないし、逆に人数分の給料も払えないくらいしかもらえない、ということにもなるだろう。*1
逆を言えば、今の状況は雇用を創出しているという言い方もできるんだろうけどもね...。私も上位10分の1の集団には入れていないだろうから、生産性や能力の差だと分かっていても複雑な気分になる。人月商売ということで今は救われている人の多さ、ということだろうか。
- *1: お客側も価値に対してきちんと対価を払うという認識を持っている前提で。実際問題はこんなことしたら安い金額で赤字プロジェクトしか発生しないだろうけど
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