Life is beautiful: 組み込みデバイスの開発にこそ必要な「おもてなし設計」
記事の流れ的に、日本のメーカー駄目だねという流れになっていて同意するところも確かに多いのだけど、あえて少し見方を変えてみる。と言ってもメーカー擁護というわけでも無いのだけど。
最初からスペックありき、か?
国内のメーカーが全くマーケティングをやらずにスペックだけ見て商品作ってるか、といえばそうでもないと思う。
携帯電話だとメーカーの企画屋さんなんかは、ターゲットユーザーと利用シーンは結構考えて製品作りをしているように見える。それをキャリアに提案して採用されるかどうかというのもあるし、企画が考えている事を技術屋が実現できてるとかいうところ。
おそらくだけど、企画屋さんは「スペックありき」で企画はあまりしてないと思うんだけどな。カメラの画素数とかは「キレイに撮れる」とかで推すケースもあるだろうけど。あとAppleほど「ユーザー体験を具体的に」考えているかと言われると、どうかとは思うけども。ただそれほど酷くは無いと思う。
企画を実際に製品として設計する段階で、「こんな高性能なチップが出てきた」「カメラも高画素なものができたから」という感じで、ハード面で「これを載せれば他社に」的なプッシュが入り始めるんじゃなかろうか。
企画の理想と開発の現実
で、実際にソフトの開発が始まるとスケジュールや工数の影響で「企画が希望していたこの機能は技術的、予算、工期などの制限で実装できない」というのがあちこちの機能で起きる。
そうこうしているうちに開発終盤ではもともとの企画案を100とすると、実現できたのが60とか80だったりする。もともと予定していた「イチオシ」がそう謳えない状況になると、スペックを前面にしてアピールするしか無くなってくる。
実際に製品の良さを殺しているのは開発周りの拙さも大きいと思う。「おもてなし」レベルできちんと設計できるほどの期間も予算も与えられてないだろうし、それをソフトなどで実現する時の開発のゴタゴタ(タイトな期間と予算)でスポイルされてる。
ソフトもほとんどが外注だから、細かいブラッシュアップをしようにも「その作業分のお金を貰っていません」「工数が無いので他の作業とバーターです」という話になって、メーカーがやりたいことがやれない。下請けも少ないお金でかなり無茶振りはされるのだけど、あくまでもビジネスであってボランティアでは無いのでどこかで一線を引かざるを得ない。
本当にメーカーが作りたいものを作るには、内製率を上げるか予算を付ける、開発期間をきちんと取るのが先では。外注はあくまで外注であって、どこかでビジネスライクになるし、iPhoneレベルのUIを2ヶ月で作れとかいう号令がかかるような無茶な開発やってる限りは無理だと思う。
発売時の取り上げ方は?
あと新製品を一番最初に触って記事を書く人や、アーリーアダプターな人たちが「スペック重視」なのもあるんじゃないかな。
ファーストインプレッションのWeb記事やブログ記事は商品の売れ行きに多少なりとも影響あるだろうけど、その手の記事はスペックの羅列が多い。
書く側から見れば前世代や他社製品とスペック比較して記事を書くのが楽なのだろう。CPUがxxからyyに変わって速くなったからUIがサクサク動くとか、カメラがxx画素になってキレイに撮れるとか、xxエンジンを搭載してどうとか。ただここはメーカーが製品発表するときに製品のビジョンを示しきれずにスペック表を配ったりしてるせいもあるとは思うけども。
コメント
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